“ おまえが書くことを止めたら、孤独だということをおまえは知ることになる。今のところおまえは現実から離れている。とにかく、とにかく書かなければ、早 く、自分を理解しないまま、言葉に酔いしれていなければならない。おまえが自分の声に耳を貸してしまったら、すべてをバカバカしく思うだろう。そうなって はダメ、語るために語る必要がある。決して何かを言うために語ってはならない。真摯であることを避け、むしろ真摯から逃げなさい。だれもおまえの言うこと なんか聞かない。言葉、本当の言葉は黙っている。風とともに書いて、書いて、早く書いて。おののき、ひらめきをどんなふうにだっていい。何んでもいいから 書いて、見ないで、理解しないで、内部を書いて。目を閉じて書いて。
 おまえはおまえの言葉と同じく狂っている。おまえは興奮し、叫び声をあげ、紙を引っ掻く。わたしたちのシステムのなかに入るか、あるいは書くことを試みながら自殺するか、どちらかだ。別の可能性はない。
 おまえの言葉を他の人たちに読ませてはダメ、彼らは言葉だけしか見ないから。大切なもの、それは白い部分、言葉と行の間の空いているスペース、汗と微笑 み。わたしたちはノートを太陽や雨にさらして、自分たちの言葉に光と水のカバーをかける。魔法の形。模様に魅了され、わたしたちは欲望や生きる欲求を読み とる。鉛筆も紙もなしに書きなさい。裸で書いて、そうでなければ書くことを止めて。

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去勢されない女   エマ・サント(1947?−88?)
『去勢されない女』(岡本澄子訳・1995・書肆山田)より

(via nagas)

(出典: ginzuna)

posted : 火曜日, 10月 25th, 2011

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